タツノオトシゴはオスが出産?!イクメンとも言われるタツノオトシゴ。その生態とイクメンぶりを調べました。

生き物

6月9日(日)朝6:00~6:30『壮観劇場』~水の中で今、命が紡がれる~▼見たことのない絶景を特等席で#8 で、「オスが腹の中で子を育て大海原へ放つタツノオトシゴ」を、4Kカメラが水中に潜り撮影しています。

出産と言えばメスですが、出産をオスがするということで、生態だけでなくタツノオトシゴってどこにいるのかなど、タツノオトシゴについて調べてみようと思いました。

オスが出産する?

オスが「育児のう」という袋を持っていて、その袋で卵を育てて、稚魚を出産する。

この「育児のう」には哺乳類のメスの子宮と同様に胎盤があり、栄養や酸素を子に運ぶ遺伝的指令も備わっていることが分かっています。

ただ、最初は筋肉収縮(陣痛のようなもの)が起こって稚魚を産むと考えられていましたが、筋肉収縮の機能はとても小さい様で、稚魚を産む瞬間はオス自身が意識的に出しているのではないか?!としており、今後も研究に期待しています。(オーストラリアの研究チームの見解)

メスとオスの違いは?

そもそもメスやオスの違いや見分け方はどうしているのかというと、

  • オス=移動性の高い配偶子を生成する生物。配偶子は小さい。
  • メス=移動性の低い配偶子を生成する生物。オスよりも配偶子が大きい。

ちなみに、タツノオトシゴのメスが、オスの「育児のう」に卵を産むので、卵を産む方がメスとなる。
育てるオスは「育児のう」を持つが、卵は持っていない。

タツノオトシゴの生態

トゲウオ目ヨウジウオ科タツノオトシゴ属に分類される魚なので、魚の一種となります。

  • 魚ではありますが、遊泳能力は低く背びれを使ってふわりふわりと泳ぎ、長い尾をサンゴや海藻に巻き付けて体を固定している。
  • 熱帯から温帯の浅海や内湾の岩礁域、あるいは海藻草類が繁茂する藻場に棲息している。
  • 肉食で魚卵、小魚、ヨコエビ類、アミ類、動物プランクトンなど微小な甲殻類を餌として捕食する。
  • 寿命は1~3年程度と言われている。

現在もタツノオトシゴ研究チームが研究していますので、今後もいろんな生態がわかってくると思います。まだまだ秘めているタツノオトシゴ、今後も楽しみです。

イクメンって本当?

イクメンとは?

  1. 最初は育児休暇を申請する男性(夫)の事をイケメンをもじってイクメンと呼びました。育児休暇さえ取れば、もうイクメンだったんです。
  2. 現在は、育児を楽しみ、積極的に行う事をイクメンと呼んでいます。ハードルが上がりましたね。

イクメンなのか?

育児のうに産み落とされた卵を2~6週間育てます。胎盤の様な機能があるので、卵を守りつつ栄養も与えています。そして、出産後はしばらく食事をしません。

ただ、空腹になった時に幼体が近くにいれば、自分の産んだ子でも食べてしまうことがあるとか!!タツノオトシゴのオス自身、出産する所に焦点が当たっており、産んだ子を育てる事はしていないのか、どこにも説明が載っておりません。結局、産まれた後は、幼体自身が生きていくしかないようです。自分の産んだ子でも食べてしまうわけですから。という事は、動物の世界では、結構あるあるな気もしますが、今回はイクメンでも①のイクメンに近いと考えて良いように思います。

タツノオトシゴは、一夫一妻制で、生涯の相手は1匹。繁殖期は毎日オスとメスは何度もダンスをする。一途で夫婦円満なところは素敵ですね♪

どこにいるのか?

50~60種類の仲間がいて、新種の発見が今でも出ているようです。
最近では、

  • ピグミーシーホース:南半球のニューカレドニアで採取されている。
  • ハチジョウタツ:東京・八丈島で見つかる。

熱帯から温帯の浅海や内湾の岩礁域、あるいは海藻草類が繁茂する藻場に棲息している
東南アジア、オセアニア地域から海流に乗って、アフリカ大陸へ広がっていったと考えられているようです。日本では、沖縄県がもっとも多く棲息しているそうです。
ただ、タツノオトシゴは、ずっと生まれた場所で生きている傾向が強いのもあって、底引き網漁業など環境が変わってしまうと、絶滅の危険が高まってしまうようです。

名前の由来

名前は『タツノオトシゴ』が有名ですが、地方で呼び名が違ったり、「龍」に由来するものもあれば、「馬」に由来するものもあったり。かと言えば、「龍宮の子馬」と両方に由来していたり、探せばたくさんあるようで、名前がたくさんあるのもタツノオトシゴの不思議な所かもしれませんね。

その中でも有名な2つの説は?

漢字で「龍(竜)の落とし子」とする説。

  • 中国に伝わる伝説の生き物である龍に、もし赤ちゃんがいたらこんな姿であろうということで呼名されたと考えられている。
  • トゲウオ目ヨウジウオ科タツノオトシゴ属Hippocampusの中の1種Hippocampus coronatusの標準和名

漢字で「海馬」とする説。

  • 英語で「seahorse(=シーホース)」と言われている。(=海の馬)
  • タツノオトシゴの学名「Hippocampus(ヒッポカンパス)」に由来しており、この「Hippocampus」は、ギリシャ神話に登場する上半身が馬で下半身が魚の怪獣のこと。

別のもので同じ海馬

頭脳の一部の海馬

これは、タツノオトシゴに似ているからという説と、ギリシャ神話に登場する上半身が馬で下半身が魚の怪獣に似ているからという説があるようです。

海の生き物

漢字で海馬・海象と書くのは、

  1. トド:名前の由来はアイヌ語の「トント」が語源。
    「トント(tondo)」=無毛の毛皮・なめし皮の事。
    トドのアイヌ語は「エタシペ」
  2. セイウチ:名前の由来はロシア語の「シヴーチ」
    ロシア語で「シヴーチ(sivuch)」はトドを意味している。
    セイウチのロシア語は「morzh」

トドやセイウチは、日本人には馴染みがなく同じ様に見えてしまった事で漢字が一緒なのではないかと思います。そして、トドやセイウチの見分け方ですが、

トド
鋭い牙はあっても、口からはみ出していない。
小さいけれど、耳たぶがある。
短い体毛がたくさん生えている。
体の色は、茶色~金色
アシカ科

セイウチ
口からはみ出すほどの大きな牙がある。
耳たぶが無く、目の横にある耳は穴があるだけ。
体毛がほとんどなく、肌がむき出し。
紫がかったピンク色~赤みが増す。
セイウチ科

言われてみると、違いは一目瞭然ですがこの部分に真っ先に気付くほどジロジロ見れる大きさではないように思います。

水族館ではトドやセイウチもショーに出たりして、かわいいですが海にいたら、驚きと怖いのが先に出てしまいそうです。

まとめ

タツノオトシゴとは、なぜか子供の頃から知っていて、絵も書いていた時期がありました。ふよふよしていて、骨ばっていて、気持ち悪いような面白いような、いろんな気持ちを持った気がします。まだまだ明らかにされていない部分も謎めいていて、すごく不思議な生き物です。今回、オスが出産!!?から調べました。しかも「育児のう」を持っていて胎盤と同じ働きをする。知れば知るほど面白いです。今後の研究チームにも期待したいと思います。
4K画像で出産の瞬間を見るのは、カマキリの赤ちゃんが卵から産まれる瞬間と同じような感覚を味わいそうですが、ぜひとも見たいと思いました。

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